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AXCR

アジアクロスカントリーラリー

アジアクロスカントリーラリー（AXCR）は、東南アジアで開催されるFIAおよびFIM公認の国際クロスカントリーラリー（ラリーレイド）で、1996年の初開催以来、毎年8月に実施されている。主にタイを中心に、年によってはラオス、カンボジア、ベトナム、マレーシアなど複数の国を縦断するコースが設定され、総走行距離は数千kmに及ぶ。熱帯のジャングル、河川、山岳地帯、泥濘路など過酷な自然環境を舞台に行われるこのラリーは、車両の耐久性、メカニックの技術、そしてドライバーとナビゲーターの総合力が問われる競技として知られている。
主催はR1ジャパン、後援はタイ国政府観光庁で、日本企業の協賛も多いことから、日本語版の公式サイトも用意されている。参戦車両は日本メーカー製のSUVやピックアップが中心で、現地生産モデルをベースに改造したマシンが多数出場。日本国内のレースではほとんど見られなくなったいすゞ車が、AXCRでは現地法人チームとして活躍することも特徴のひとつである。

当初は四輪専用のラリーだったが、2012年にライダーの要望を受けて二輪部門が新設され、現在ではオートバイやオフロードサイドカーも出場可能となった。特にオフロード用サイドカーで参戦するチームは国際的にも珍しく、AXCRならではの光景といえる。
AXCRは、アジア最大級のラリーレイドとして「走破すること」自体に価値があり、スピードだけでなく、ナビゲーション、整備力、体力、チームワークなど総合的な力が求められる。過酷な自然環境を舞台に、人とマシンの限界に挑むこのラリーは、日本と東南アジアのモータースポーツ文化をつなぐ重要な役割を担っている。